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TOP百合ヒバツナ恋の歌 恋する十字架1


恋の歌 恋する十字架1
百合ヒバツナ「恋の歌」
オフで完結済み。完売後再録集に番外と一緒に収録。
再録集のお取り扱いはバードEXになります。
こちらはweb版となります。

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あのひとにあいたい。


ツナはため息をついて青い空を見上げた。
空には雲一つない。
快晴。
空はこんなに青いのに、ツナの心はどんよりしていた。
どうしても、あいたい人がいた。
空を見上げ思い出すのは、この間の奇跡のような出会い。
あこがれの、あのひとにあったこと。
街には彼女があふれている。テレビに雑誌にCMに、彼女の姿を見ない日なんて一日たりともない。ツナの部屋にも彼女のポスターやアルバム、写真集やグッズに切り抜きが沢山ある。
でもツナはそんな無機質なものではなく、本物の彼女に会いたかった。
彼女のコンサートチケットは持っている。待っていれば生の彼女にまた会えるだろう。けれどその時は、大勢の中の一人になる。彼女には沢山のファンがいて、コンサート会場の中は超満員だ。そんななか、ツナみたいに地味な少女を認識するなど不可能なことだし、前のようにまた彼女と二人で話すなんて出来ないだろう。そもそも彼女がツナのことを覚えているとは思えない。
一人、じっと青い空を見上げ、思い出すのはこの間の奇跡のような出会い。何度も何度も繰り返し思い出している、あの出会い。
あのひとにあったこと。
ほんのわずかな時間、一緒にいた。
気まぐれで歌ってくれた。
あの時だけは、雲雀の歌声はツナだけのものだった。
綺麗で美しくて懍としている、女王のようなひと。
銀河の妖精と呼ばれている至高の歌姫
優しかった、あのひと。
ツナのためだけに、歌ってくれた銀河の妖精。
大きなステージではなかった。
銀河の妖精にふさわしいコンサート会場でもなかった。
単なる野外。
あんなさみしい、ライト一つない場所。
観客だって誰もいなかった。
ツナ以外の人間は、誰も。
なのに、歌うその人の姿は輝いて見えた。
ライトなんてなくても、キラキラ輝いていた。
身に付けていた帽子とサングラスを外したその姿は、紛れもなくツナの憧れて止まないその人そのもの。


会えるなんて、思ってなかった。


会う事が出来るなんて、思わなかった。
目をつぶり、息を吸い込む。
まぶたの裏にはその人の姿。
この間から、ずっと離れる事なくその人の姿がある。
思い出すとドキドキして、身体の温度が上がって、胸が締め付けられる。
前まで、こんな事はなかったのに。
ツナは再び目を開いてじっと空見上げた。
今はまだ、この偽物の空の下にあの人はいる。
ツナが会いたいと願う相手は、あの銀河の妖精雲雀恭弥。
銀河屈指の歌手。
ツナが会いたいからと願った所で会えるような人ではない。
テレビやコンサートでは見る事が出来るけど、本当のあの人には、もう、きっと、二度と会えない。
ここにいるのだって、銀河ワールドツアーで一時的に滞在しているだけなのだ。
そう、この空の下にいるのだって、もうあと少しだけ。


でも‥‥‥。


ツナは思う。
空を見上げて。



まだ、あの人は、ここに、いる。




 *  *  *




雲雀恭弥はその建物を見つめた。
ここまで来ておいて今更というものだが、雲雀には、自分がどうしてこんな行動を取っているのかわからない。決して暇なほうではないのだ。暇どころか、フロンティア大統領よりも忙しいといわれているのに、スケジュールをあけて、マネージャーであるリボーンに借りまで作ってここに来ている。
目的は、先日会った少女。
偶然出会い、そしてほんの少し語り、驚いた事に彼女のために歌まで歌ってしまっていた、無害そうで、ちんまりとした小動物めいた少女にどうしてもまた会いたくて、ここまで来た。
人気のない高台に立つ建物は、静かで見晴らし良さそうだった。
リボーンからの情報によると、あの建物の上の、見晴らしのよい場所に彼女はいるのだという。
どうして自分があんなちっぽけな少女に会うためだけにこんな場所を訪れてしまったのかはまだわからない。ただ、無性に会いたかった。
あのキャラメル色の髪がふわふわ揺れてぴょこんと跳ねる様を見たかった。この間は出来なかったけど、彼女の髪に触れて、ほほを突っついてみたいと思った。
ほんの気まぐれで声をかけた少女。すぐに忘れてまたいつもの日常に戻るかと思っていたのに、雲雀の日常は戻ってこなかった。
いつまでたっても彼女の事が忘れられない。
今思えば、彼女は天使だったのではないかとすら思える愛くるしさで雲雀の心のなかにいついている。
泣き顔が、頬を染めた姿が、雲雀の事を嬉しそうに語った弾んだ声が、彼女のすべてが雲雀のなかに住み着いて離れない。それだけでも困るのに、どこにいるとも知れない彼女に会いたくてたまらない。彼女に会わなければ飢えて干からびて、自分の魂のすべてである歌さえうたえなくなりそうなほど、雲雀はまいっていた。
どうしてそう思うのかはわからない。けれど、もう一度
彼女に会えばわかるような気がしたので、雲雀は確かめに来た。
自分の気持ちの根源が何なのか。どうして彼女だけがこんなにも特別なのか。
雲雀は彼女のいる場所に向かって歩き出す。その足取りはいつもと同じ、迷う事も、乱れる事もない優雅な歩み。


ついに、会える。
また、会える。


ようやく彼女に会えるのだと思うと、心臓の鼓動が早まる。なんだこれは。雲雀は不思議に思った。ハードなコンサートをこなしたわけでも群れ咬み殺し耐久レースをしたわけでもないのに、鼓動が早い。どんな大舞台に立っても決して緊張することのない雲雀の手が、かすかに震えている。どうやら自分は緊張しているらしい。あの少女に会ってから、自分らしくないことばかりだ。
ふっと息をついて、かすかに震える手を握り締め、雲雀はこの先にいるはずだという彼女に向かって歩き出した。




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カテゴリ:百合ヒバツナ
テーマ:家庭教師ヒットマンREBORN!! - ジャンル:アニメ・コミック
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