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TOPヒバツナ子逆年齢ヒバツナ子


逆年齢ヒバツナ子
珍しく短編。
前にツイッタで回ってきた話をネタにしました。
そんな感じのお話ですが、ヒバ誕ということで短編未発表作を出してみた。
ちゃんとしたヒバ誕ものは現在執筆中なのです。
やっぱりヒバツナ書くのはすごい楽しい。

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ツナはふらふらと道を歩いていた。
大きな飴色の瞳は潤んで濡れ、小さなしずくがぽたぽたと流れ落ちては地面に吸い込まれていく。

「ふいっ‥‥うっ。ひっく‥‥ぐす‥‥‥」

ほろほろと涙を流すツナは、今日失恋した。
ずっと昔から大好きだった家庭教師に、失恋したのだ。


―――子供には興味ねーよ。


そう、言われた。
勇気をふりしぼって、好きって言った。
リボーンはツナのことを自分になついてくる親戚の子供くらいにしか思っていなかったのは、知っていた。
最初からわかっていた。
でも、変えたかった。
リボーンのまわりにはいつだって綺麗な女の人ばかりで、いつも悔しくて悲しかったから、どんな形でも結論を出したかった。
そうして告白したら、案の定玉砕。

「リボーンのばかぁっ」

肩を震わせて泣くツナは、高校3年生。もう道端で泣くような年でもない。
でも涙が止まらない。みっともないとわかっていても、自分ではどうしようも出来なかった。
泣きながらでもゆっくり、ふらふらと歩いていたツナだが、とうとう我慢できなくなって、ついには道の端にうずくまって大泣きしてしまう。
ぐすぐす泣いている。そんなツナを、先程から見ていた少年がいた。
いつもと少し違う道を通って群れを咬み殺していた帰りのことだった。
少年―――雲雀恭弥はふらふらと泣きながら道を歩く年上の少女を見かけ、ついじっとみいってしまう。
小さい子供ならともかく、それなりの年齢の少女が泣きながら道を歩いているのは珍しい。
いつもなら、鬱陶しいとトンファーを一閃させるところだが、今回ばかりは少し様子が違う。
少年が目にした見少女は一見中学生に見えたが、近所の高校の制服を着ていた。そして泣きながらもたいそう可愛らしかった。


「お姉さん、せっかく可愛のに、泣いたらもったいないよ」


まったく足音をたてずに近付いた雲雀はハンカチを差し出し、泣いたために晴れぼったくなった瞳と涙のあとも痛々しい頬にそっと押し付けて流れ落ちるばかりのそれを拭う。

「うぇっ?」

高校生のツナは、麻痺したような頭で自分の涙を拭く高い声をしたひとにお礼を言わないといけないと思い、のろのろ顔をあげる。
涙でぼやける視界のなか目に入ったのは、自分より随分年下の、恐ろしいほど綺麗なひと。
ツナとは違って漆黒のズボン下をはいてはいるが、男の子か女の子かよくわからない小学生。
ぐすぐす鼻をすすりながらかなり年下の子供に大人しく涙を拭われるツナは小学生に涙を拭われているはずなのに、自分よりかなり子供に慰められているという自覚がなかった。失恋の痛みは相変わらず胸を締めつけて苦しいが、目の前にいる現実とは思えないくらい綺麗な少年をただただ見てしまう。
少年――雲雀を見つめ、ぼんやりしながら止まらない涙を流していると、光のない艶のある闇をとかしたような瞳がふっとゆるんだ。
まるで温度というものがないそれに、微かに温度が宿った。それは小学生ながら常に無表情な雲雀恭弥には大変に珍しいものであったが、自分のことでいっぱいいっぱいなうえ雲雀の性質を知らないツナが疑問に思うことはない。
ツナが少年を見つめながらも涙を流していると、気配なく彼が動いた。
優美で無駄のない動きはまわりにある空気すら動かすことはないほどに静かで、けれど不自然なほど気配のないそれが不思議なほど自然に馴染んでいて、日々リボーンに厳しい教えを受けていたツナをしても何の違和感もなく受け入れられた。普段なら異常を感じるはずなのに、何も感じない。敵意や悪意、害意がないからかもしれないが、一見したら子供なのに子供らしくないような、不思議なひとだと思った。
見た目は子供な彼はじっとツナを見つめ、顔を近づけてくる。それはごく自然な、当たり前ともいえるような動作でツナがぼんやりしながら涙を流していると、かちりと瞳があった。強い瞳。

「飴玉みたいな瞳だね。あんまり泣くと、とけてなくなりそうだ」

そう言ってぺろりと瞳を舐められ、ツナは驚いて顔を引いて舐められた瞳を押さえる。

いま、めを舐められた。

「えっ!?」

事故とかそういうのではなく、普通に舐められた。
今までどうやっても止めることもなく、とまることもなかった涙が驚きのあたり引っ込んだ。
どうして舐められたのだろうか。
確かさっき、この少年はツナの瞳を飴玉みたいと言った。なら、もしかして飴玉と間違えられてる?
いやまさかね。
ツナの瞳は本当にただの瞳だ。飴玉なんかと間違えられるはずはない。
今の今までリボーンに振られたとこしか考えられなかったツナだが、見た目はどこまでも美しい少年の奇行ともいえる行いに、頭のなかはリボーンのことから少年のことにシフトしていく。
不思議だ。今までリボーンのことしか考えられなかったのに。
どうしてこんなことをするのか、何を考えているのか。
ぱちぱちと大きな瞳が瞬く。
瞬きする度に長い睫毛についていた小さな水滴がきらきら光り、まるで朝露に濡れた瑞々しい花のような印象。
ツナの瞳にいきなりキスした雲雀は、無表情のままひとつ頷いた。
今まで泣いていたからだろう、はれぼったい瞳。でも、それを差し引いても十分すぎるほど可愛らしい。泣いてるなんて、もったいないと思った。雲雀恭弥ともあろうものがそんなことを思う日がくるなんて、思ってもみなかった。
自分よりかなり年上で、いかにも泣き虫な小動物。普段の雲雀なら確実に咬み殺しているはずの存在。でもなぜか可愛いな、と思ってしまう。
こうして、涙が止まってよかったと思うくらい、特別。

「泣き止んだね、お姉さん。今度は泣いてる顔じゃなくて、笑ってる顔、みせてよ」

彼女の笑っている顔は、きっととても可愛いのではないかと思う。
だから、みたい。みせてほしい。雲雀のために、雲雀のためだけに笑ってほしい。
なぜ雲雀のためだけに笑ってほしいと思うのか、雲雀自身にもわからない。
今までの雲雀恭弥は、とにかくつよいものは咬み殺す。たたかって、たたかって、たたかって、それがつよいものであればあるほど満足できた。戦い以上に雲雀を満足させてくれるものなどなかった。
彼女に会ったのはついさっきなのに、わからないことばかりだ。
雲雀がじっと見つめていると、彼女は焦ったような仕草できょろきょろと左右を見ている。まるで自分に言われているのが信じられないかのような仕草。それがまた可憐で可愛らしい。
慌てながらうろたえたような顔をしたツナは、雲雀が自分以外の誰も見てないことを確認して、やっぱり自分に言われているのだとわかりきったことを思ってから、間が抜けたような声を上げた。

「へっ?今度?」

今度ということは次がある。
初対面で知り合いでもなんでもないのに次があるように言われツナがこてんと首を傾げると、雲雀が当たり前のように頷いた。

「そう。今度」

涙はもう完全に止まっていた。
それでも布が視界をよぎるのは、ツナの頬に残っている涙のあとを拭っているから。
顔をこすらないようにぬぐわれていく涙に気付いたツナは、今度という疑問は置いておくことにした。

「あっ、あの、ありが、とう」

涙を拭ってもらったのは確かなことで、ツナは目の前にある気後れするほどの美貌を持った少年にお礼を言った。
深い、とても深い漆黒にじっと見つめられ、吸い込まれそうだと思う。
ツナのなかの深い場所を見通すような瞳。小学生に見えるけれど、ツナを慰める仕草や口調、落ち着き具合から、とてもじゃないが小学生には見えない。身体は子供、頭脳は大人のとある名探偵のように薬か何かで大人から子供になったと言われたら納得してしまう落ち着き具合だ。
実際の雲雀は小学生ながらわがまま自儘、唯我独尊で自分勝手な王様で、強いだけでなくずば抜けて頭がよかったため誰をしても手におえない小学生であったのだが、ツナの前では借りてきた猫よりも大人しく、凶悪狂暴横暴わがままな雲雀恭弥にあるまじき優しさを持って接していたわけだが、ツナがそんなこと知るはずもなく、優しい男の子だな、とか、こんなに綺麗でかっこよくて優しいならさぞ女の子にもてるんだろうなと考えていた。
ツナがお礼を言うと、雲雀は無表情のまま小さく首をふった。

「別に、お礼なんていいよ。どんな理由かはわからないけど、お姉さんみたいに可愛いひとが泣いてるの、見てられなかっただけだから」

そう言って、小学生は小さな手で、優しくツナの頭を撫でた。
見るからに冷たそうな美貌。それが優しくみえて、ツナはなぜかどきりとした。
心臓が大きく鼓動を打つ。


なにこれ。


ツナはどくどくしてきた心臓に、内心首を傾げる。





声もなくじっと見つめあうふたり。
かたまったように動かないツナは、先程までの顔色の悪さが嘘のように血色よくなっていく。
薔薇色に染まった頬。
うるんだ飴色の瞳と、闇そのもののような深い漆黒が逸らされることなく絡まりあう。まるで二人しかいないかのように、お互いしかみえてない。


じっと見つめあう二人は、ずっと先の未来で大恋愛の末、年の差を乗り越えて結婚することになるのだが、それはまだまだ先のこと。




紆余曲折あって結ばれた二人の出会いは、なんてことのない些細なもの。





これが、二人の恋が始まった瞬間―――。

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