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TOP百合ヒバツナ恋の歌 恋する十字架11


恋の歌 恋する十字架11
百合ヒバツナ「恋の歌」
オフで完結済み。完売後再録集に番外と一緒に収録。
再録集のお取り扱いはバードEXになります。
こちらはweb版となります。
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ツナは膝を抱えてコンクリートの床に座り込んでいた。
抱えた膝の上に顔を乗せて、じっとしている。


ずっとずっと、ここ数日ずっと考えていた。


あの綺麗で高慢で傲慢な人にいらないと言われたあの日から。
いらないと否定されて、もういいと言われて泣いて、泣いて、泣いて、それから、こんな風に閉じ籠って泣いていても仕方ないのだと思った。
雲雀にキスされてダメと言ってしまったあの時から、ずっと思ってた。
あの時、どうしてダメなんて言ってしまったのだろう。そう思って何度も後悔した。
へんな期待しそうでこわかったからだけど、あそこであの人を受け入れていたらまた会えたかもしれない。だってあの人はキスに慣れてと言っていた。
きっとまた会えて、早く慣れてねと言った言葉の通り、にツナにキスしてくれたはずだ。
あの人はここでのスケジュールさえ消化してしまうときっとすぐに帰ってしまって、その時に別れはあるけれど、それでも、あの人が帰るその時まであの人に会う事が出来たかもしれないのに!
あの人が帰るその時まで、まだ少し位の時間はあったのに。
その時までは、ほんの少しでもあの人の側にいる事が出来たのに。
どうしてあの時キスしたらダメなんて言ってしまったのだろうか。
ダメって言わなかったら、きっとまた会えていたのに。
ツナが今こうしてここにいるのだって、雲雀がここに訪れた事があるからだ。
一番最初は通りすがりの道で会った。でもここは違う。


こんなさみしい、街外れの、誰も訪れないような場所に、あの人は来た。


なら、ここにいたらもしかしてまた会えるかもしれない。
いらないって言われても、邪魔って言われても、消えろって言われても、またあの人に会いたい。
ツナは雲雀から「いらない」と言われたので会えたとしても、また暴言を吐かれてきっとすごく傷つくだろうけど、もしかしてまた会えるかもしれないと思うといてもたってもいられなかった。
あの人に会えるかもしれない万が一の可能性。
それを思ったらふらふらこの場合に来ていた。
でも、昨日も一昨日も、そして今日も会えなかった。
当たり前だろう。冷静に考えれば雲雀恭弥は忙しい人だ。そうそうふらふらしてもいられないだろうし、雲雀にとって不快な存在でしかないツナがいたこの場所になんか、来たくないはずだ。
それでも、どうすることも出来ないツナは、雲雀がここに来るかもしれないというほんの僅かな希望にすがるしかなかった。会ったら絶対傷付く事はわかっているけど、やっぱりあいたい。
本当の本当はここにいても会えないのはわかっているけど、あの人に会いたくてたまらないから、ここに来てしまう。
膝の上に顔を埋めてツナは雲雀を思いかえした。
すごく綺麗で懍としている銀河の歌姫。
ツナの手の届かない所にいる人。
こんな思いをするくらいなら最初から、あの人の手を取っておけばよかった。
自分の抱く感情が変なのはわかっている。
こんなの変だし、雲雀にこんな感情を抱いても無理だってわかっている。だから恐かった。いつかここからいなくなってしまう人だとわかっていたし、雲雀が何を考えているかわからないからその手を取れなかった。その腕に身を任すことが出来なかった。でもこんなに苦しい思いをするのなら、せつなく悲しい思いをするのなら、せめてあの人がいる間だけでも側にいる道を選べばよかった。別れが恐くても雲雀が何を考えているのかわからなくても、少しでも一緒にいることのできる道を選べばよかったのだ。
ツナはせつなさと苦しみの混ざったにがい息を吐き、ぎゅっと目を瞑った。
思いを吐き出さないと、自分がパンクする。でもツナには叫ぶこともぐちることもしなかった。
ツナは膝に頭を押し付けたまま、小さく口を開く。


思いを、願いをのせるなら、うたうしかない。



ツナは膝に頭を押し付けたまま、自分をなぐさめるため小さく口を開く。

どうにも出来ないおもいを歌で吐き出す。
ツナに出来ることといえば、たったそれっぽっちのことだけだった。

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