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TOP未分類女王陛下の悪魔退治12


女王陛下の悪魔退治12
続き

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メフィストが適当に避難コール帰るコールをしていると、子猫丸が遠慮がちに話しかけてきた。

「え、でも藤本せんせいなんやすごい冷静やし、危ないゆうても逃げる気配ないし、危機感ゼロでっせ」
「それはそいつが藤本獅郎だからだ。そいつはてめぇらがいなかったらこれくらい自力で退ける」

子猫丸に答えたのは燐だ。
今の燐は正しく獅郎の力を理解していたので、おまえらと一緒にすんなと呆れたように息を吐く。
彼は仮にもパラディン―――最強のエクソシストだ。
当たり前のように言う燐に、獅郎は嬉しそうに頷く。

「おお。その通りだ。さすがにわかってるな。父さんここで見守ってるから、頑張れよ」

そしてひ~らひ~ら手を振っている。
やけに余裕だ。
雪男は何か通じあっている獅郎と黒マントの燐を交互に見つめてから獅郎に詰め寄る。

「神父さん、さっきからやたらわかってるふうで、すごく気になるんだけど、姉さんに、一体何が起こっているの」

雪男は真剣に、実に真剣に聞いたがしかし、獅郎はふっと目を逸らして明後日を見つめた。

「うーん。まあ色々あったんだよ。色々とな」

獅郎の口元が緩んでいる。それは行方不明の娘に会えたから喜んでいるとも思えるし、何か楽しいことを企んでいるようにも見える。
思えば獅郎は先ほどから燐がどこで何をしているのかすべてを知っているような口振りで話していた。
雪男は何も知らないし、知らされていなかったのに。

「神父さん、どうしてそんなに平然としてるの。神父さん、やっぱり姉さんが無事で、こんなことしてるの、前から知ってたの?姉さんの行方も、神父さん、全部、知ってた?」

問い詰める雪男の言葉。それらを聞いていた面々は不可解な単語に眉を寄せる。

「なあ、若先生の言うてはる姉さんって、なんやろか。若先生にお姉さんなんかいはらへんやん。若先生にいたんは姉さんやのうて兄さんやし」
「そや。奥村先生にいたんは姉さんちゃうで、兄さんや。でも奥村先生は姉さんて。もしあれが奥村君やったら‥‥‥」

少し考えた志摩がごくりと息を飲んで、おもむろに口を開いた。

「虚無界で性転換手術を?」
「アホか」

呆れたような勝呂の言葉に、ため息をついた雪男が首をふる。

「何言ってるんですか。違いますよ」

メフィストもまた、志摩の答えに不正解とステッキでバツ印を描いた。

「性転換ですか~。それはないですねえ」

答えるメフィストと雪男に勝呂はあれと思った。
あのフードの女が本当は何者かは知らないが、この二人はある事柄を否定しなかった。

「でも、あの女が奥村燐やゆうことは否定せえへんねんな」

ごくりと唾を飲み、緊張しながら勝呂が聞くと、メフィストがはい、とあっさり答えた。

「ま、真実ですから否定のしようもないですね」

まさか本当に奥村燐だとは思わなくて、もし奥村燐であったとしても隠されると思った。あれは明らかに超上級悪魔だ。それもサタンクラス。もしかして、奥村のアホが乗っ取られよったんか。ちょうどそう思ったタイミングで、メフィストがあれは正真正銘奥村燐本人で、悪魔に乗っ取られているわけではないと告げた。
衝撃の事実だ。
いや、それよりも奥村燐は本当に女なのか。
勝呂やしえみ、神木だって燐のことは男と思っていたし、男として接していた。
なのに、実は女?
奥村燐が悪魔だということも驚きだが、女かもしれないことにも驚いた。


長い間行方不明だった燐にやっと、久しぶりに再会できたと思ったら、燐は悪魔で女だった。


他に重要な秘密とか出てきたらどうしよう。ただでさえ混乱しているのに、余計に混乱する。
一堂が混乱するなか、メフィストが蛙絵柄の旗を持ちながら優雅に振る。

「で、あなた方、本気で逃げないおつもりですか?」

ふざけた仕草でひ~らひ~ら旗をふられ、こっちは真剣なのにむかついてくる。
勝呂は口をへの字に曲げ、メフィストを睨み付けながら、しっかりと言った。

「ったりめーだ。どういうことか聞くまでぜってー離れねーからな」

刀を大地に突き刺し、その柄を持ってまっすぐ立つ燐からため息をつく気配。
鬱陶しい黒マントと黒フードで隠しやがってからにと勝呂はヘッと燐を睨み付ける。
帰ってきたら一発殴ると決めていた。今まで心配かけさせやがってと言って、一発殴ってやると、そう思っていたのなに、女だということを知ったら殴り辛いではないか。ここはアイスくらいおごらせるべきだろう。
強い瞳で燐を見つめる雪男や勝呂から少し離れた所で、弱々しくふらふらしている少女もいた。

「燐が、燐が、燐が女の子に‥‥」

しえみだ。
燐が悪魔ということではなく、男のはずの燐が女になって
再登場とはどういうことなのと混乱している。
燐が帰ってきたのは嬉しい。男じゃなくて、女でも別にいい。でも女になった燐にどう接したらいいのだろうか。
燐は昔は男で、実は女の子になりたかったからどこかで女の子に性転換してて、だから行方不明だったの。なら私は燐を女の子として扱うべきよね。
じゃあ、じゃあ、燐の好きになる人は男の人で、でも燐は男で、いやでも今は女の子だから。
しえみの頭は混乱でいっぱいになり、燐が悪魔という事柄はすっぽ抜けてしまっている。

「あんたの論点はそこなの。もっと突っ込むべき問題があるでしょ」

燐が悪魔だったとか、そういうのがあるだろうと思った。
まあ、出雲にはどうでもいいことだ。燐は、変わっていないとわかる。
昔も今も、こうして守ってくれた。かばってくれた。
昔からお人好しで喧嘩っ早くて不器用で優しい。やっぱり燐は燐だと思うから、出雲には燐が女だろうが悪魔だろうがどうでもいい。

「神木さん、燐が女の子になっちゃったよ。どうしよう」
「どうもしないわよ。奥村燐は奥村燐でしょ。まったくあんたは一々うざいのよ」

出雲にとって、燐はそういう存在。悪魔だろうが天使だろうが人間だろうが何でもいい。
あっさり言い切った出雲に、しえみは尊敬の眼差しを向ける。神木さん、やっぱりすごくかっこいい。
出雲の言葉に燐の心は少しあたたかくなった。が、これでは隠している意味もないくらいバレバレだ。
早くこの場を立ち去らせてマントを取って変身して速攻終わらせ何もなかったかのようにしたいのに。あの恥ずかしい衣装と変身シーンは絶対に見られたくないのに。
しかしやはり立ち去る様子はない。青い炎は目立つ。メフィストが隠してくれているが、このまま長引かせるのは得策ではない。

「くそっ。バレバレしゃねーか。メフィスト、てめー後で覚えてろよ。しかもなんで誰もここからうごかねーんだよ。いいか、下がってろよ。ぜってー余計なことすんなよ。それから何を見ても笑うなよ。いいな」
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