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TOP青の祓魔師女王陛下の悪魔退治9


女王陛下の悪魔退治9
続き。ちょいシリアス。

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下げずんだ瞳で見られたくなかった。祓魔師である弟や獅郎が悪魔となった燐を滅するために攻撃してきたらと思うと胸が痛くて仕方がない。 にげろ。燐はそう言うが、誰も動こうとはしない。雪男や獅郎は自主的にとどまり、しえみは腰が抜けている。出雲は強気な姿勢だが手が小さく震えていた。そして勝呂は、ぎっと燐の後ろ姿を睨みつけ、その背中にぶつけるように怒鳴ってきた。

「われはなにもんや!青い炎って、サタンやろ。サタンやのに、使ってるそれ、降魔剣やんけ。サタンの眷族が、なんで降魔剣のんぞ持って俺らを助けるんや」

勝呂はサタンを憎んでいる。いつかサタンを倒すと心に決めていた。
そのサタンにつながる存在が、目の前にいる。
サタンのみが使えるという青い炎。それが、勝呂の目の前にあった。正直、足はすくむ。けれど、一体何がどうなっているのか聞きたくなる。

「えっ!?悪魔?えっ!?なんで、なんで守ってくれるの?」

腰を抜かして地面に尻餅をついたしえみが口に手を当てながら、黒いマントに包まれた背中を見つめる。彼女が放つ青い炎は幻想的なまでにうつくしい。ゆらゆらと揺れるそれはまるで人の魂の一番美しい部分を燃やしているかのような輝き。
しかしそんな美しくも恐るべき炎を纏う存在は、すらりとして優美な印象を与える立ち姿とはかけ離れた乱暴な言葉づかいで怒鳴る。

「ぐだぐだうるせえ。避難しろっつったらさっさと避難しろ。だいたい勝呂、てめー、せっかく人が大人しくしてんのに、サタンなんかと一緒にすんな。ボケが。失礼にもほどがあるだろーが、サタンなんかと一緒にされたら俺がかわいそうだろ。けったくそ悪ィ。おい、志摩、子猫丸。さっさとそいつ連れてここを離れろ。しえみもだ。腰が抜けてんだろ。かかえてやれ」

勝呂はその言葉を聞いて、あれ、と思った。
勝呂は黒マントの女に名前を名乗った覚えはない。他の連中もだ。なのに、あの黒マントは自分達のことをよく知っているかのように、名前を口にしていた。杜山さんにいたっては、しえみ、と言っていたし、一体何者なのだろうか。
当然だが勝呂にはサタンに繋がる知り合いなどいない。
志摩や子猫丸も同じような疑問を持ったのか、それぞれ首を傾げ、黒マントに包まれた華奢な後ろ姿を見つめる。
小さくほそい身体。
あの身体で、青い炎を繰り出し強力な悪魔の群れから自分達を守っている。今の勝呂達ならあの群れのなかの一匹でも倒せはしないというのに。


絶対的な、力の差。


敵う気がしない。だが、不思議と恐いとは思わなかった。
あれほど憎んでいるはずの青い炎は優しく見えるし、守ろうとしている気配も悪魔とは思えないあたたかさ。



サタンと同じく青い炎を持つ存在。



冷酷非道、憎むべき悪魔のはずなのに、懐かしさを感じる。
どこか憎めない、不思議な雰囲気。
志摩もマントを纏う女悪魔に違和感を感じているようだ。

「あれー、おれらの名前、なんで知ってはるんやろ。それに、なんや懐かしい感じがすんなあ。なんでやろ。まあええは。ところでぼん。あの子の言う通りや。あれ、どう考えても若い女の子やし、サタンちゃう思いますわ。しかもなんや美人の気配が」

彼女の言うことを聞いて逃げろと言い出すかと思えば、志摩はまったく違うことを言い出し、それを聞いた獅郎が志摩のそばまで行き、おもむろに肩を組みながらにやにや笑い、嬉しそうに何度も頷いた。

「おっ!わかるか、志摩。おまえはなかなか筋がいいな。彼女はなあ、すごい美人だそ。それはもうものすごい勢いの美人だ。巨乳じゃないけど」

最後の一言だけぼそりと呟くと、小さな声が聞こえたのか、マントの女があんたまだ巨乳って言ってんのかとぶつぶつ呟いた。そして雪男もまた、そうか、胸は成長しなかったんだね。大丈夫。胸はいつか大きくなるはずだよと言っていた。
色々なことが一気に起こり、雪男はだんだんわけがわからなくなってきた。
そして黒マントからは、乳なんざどーでもいいからほっとけボケという口汚い言葉が飛び出した。
乳がどうでもよくないなんて、なんということをいうのだ。おっぱいは男のロマンだ!志摩は思った。思いを顔に出して獅郎を見つめると、彼もまた同じことを思っていたのか、握りしめた拳のなか、ぐっと親指を立てた。同士よ。
二人が通じあった瞬間だった。

「乳なんてどうでもいいとかあきまへん。乳は大事でっせ。巨乳ちゃうんは残念ですけど、でもまあいつか巨乳になるかもしれへんから、要期待ゆうことで―――」
「志摩さん!藤本先生も‥‥。今はそうじゃないでしょ。さっきからあの人、っていうか、あの悪魔、散々逃げろ言うてますやん。ここは忠告に従った方がええんちゃいますか?」

緊張感のまるでない女好き、もといおっぱい星人二人に顔をひきつらせた子猫丸が必死でまわりに呼びかけるが、誰も動かない。

それどころか勝呂は腕を組んでどっかりと仁王立ち。

「うるせえ!俺は逃げねえからな。杜山さんをかついでてめーらだけで逃げろ。神木さんも忘れんな。奥村先生と藤本先生は‥‥まあ大丈夫そうやからええけど、とにかくおまえらだけで下山しろ」

「そんな、坊。できまへん」

おろおろとした子猫丸に、志摩も頷く。

「そやでぇ。坊も残るんやったら俺も一緒に残るし」
「杜山さんはどーすんだよ」

勝呂の言葉に志摩はぐっと詰まる。
勝呂が残るなら、志摩も当然残る。当たり前だ。だが、今地面にへたりこんで動けなくしえみをこのままにしてはおけない。彼女は避難させてやるべきだろう。
しかしそうすると、志摩は勝呂のそばから離れることになる。子猫丸もだ。
女性には優しいフェミニストな志摩にはしえみをこのままにしておくなど出来ない。


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