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TOP青の祓魔師女王陛下の悪魔退治7


女王陛下の悪魔退治7
オフ化済み。
オフでは完全版ですが、こちらではweb版でとして連載いたします。
書店在庫はバードEX様にございます。



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女王の再会


広い屋敷のなか、燐はため息をついた。
今は一人ではない。屋敷にはメフィストとアマイモンがいる。
衣装あわせの日なので、燐の屋敷に大量の衣装を持ち込みメフィストは今日も大張りきり。テンション高くスカート丈を入念にチェックして、寄せて上げて更に寄せあげ下着までしっかりチェック。パンツだけは自前にすると譲らなかった燐だが、寄せて上げて胸にボリュームを持たせる特製下着だけは仕方がなかった。
なぜなら燐用に特注してあるからだ。燐は現在15歳。正真正銘本当に15年しか生きていない。そんなわけで燐の胸はまだまだ成長途中で、ごくごく一般的な少女達と同じ程度の大きさの胸。
それを寄せたり上げたりたまには底上げしたりなんかして、衣装に合わせて下着もチェンジしている。
今の所、胸元が激しく露出し過ぎる衣装はあまりないが、胸元があいている服を着るときはそれに合わせた下着を着用していた。
メフィストが女性の下着にやたら詳しい理由は知りたくない。
よもやまさか二次元の嫁のために下着を揃えているなどと考えたくはないが、燐はメフィストとこうして衣装あわせをするようになってから、あまりにも多い下着の種類に正直驚いた。そして下着を持ち、真剣な面持ちをしたメフィストに、用途にあわせて使いわけろと言われても使い分けなど覚えきれない。
別に何でもいーじゃんと思ってしまう。

「なあ、メフィストさぁ、もういい加減衣装あわせとか超うぜぇんだけど」

今は下着ではなく、青の女王エクソシストの衣装合わせだ。
毎回毎回ころころころころと衣装のコンセプトが変わるのでついていけない。ついでにこういう世界の流行にもついていけない。
もう面倒だし、アマイモンもお菓子ばかり食べているし、燐も一緒にお茶にしたいと言うとメフィストはだめですとすげなく言ってきた。

「文句言わないでください。約定にはあなたの身に危険が迫った時以外は物質界で戦うときには撮影衣装を身につけるという決まりがあるでしょう。そのために変身ブレスまで用意したではないですか。何か気配があったらさっさと変身して女王らしく華麗に優雅に片付ける。間違ってもパンもろなどしないようにするのですよ」
「うえーっ。てかよお、変身ブレスとかって、超おまえの趣味くさくね?どの服が出てくるか変身するまでわかんねーしよ。なんかこー、ロシアンルーレット的な気分になるんだよな。他になんかなねーの」

腕に神経を集中させて一振りすると光が飛び散り星やら花が舞い、燐の私服が衣装に変わる。ちなみに変身アイテムはブレスの他に指輪もある。指輪から宝石っぽいものを取り出し変身するのだ。めんどくさい。一度で変身させてくれ。しかも出てくる衣装はランダム。燐自身による衣装の選択は出来ない。この衣装、かなり恥ずかしくはあるが強力な防御の術がかけられてあるので、あったらあったで便利だが、衣装の防御性能がなくても燐は十分戦える。
もっと何とかしてほしい。燐がそう訴えるが、メフィストは相変わらずスルー。しかしとりあえず相手はしてくれる。

「なんです?ブレスよりも変身ステッキの方がよかったですか?ステッキ振り回しながら、「サタンより広い、私の心もここらが我慢の限界よ!虚無界の女王奥村燐が、あなたの悪事をストライクするわ、覚悟なさい」とか言って変身して決めポーズがよかったですか」

途中で燐の声色を真似て、くねくねしながら恥ずかしげもなくビシッとポーズを決めるメフィストだが、色々と突っ込み所がありすぎる。

「ちょっ、メフィスト、サタンより広い心ってさぁ、大概はやつより心広いと思うぞ。それといい加減恥ずかしい決めセリフと恥ずかしい決めポーズは止めてくれ」

アマイモンも、父上より心が広いと言われてもねーと言いながら隣で頷いている。

「えー、変身後の決めセリフも考えたんですよー。「私は虚無界の夜であり、輝く星。あなたの行く末、月のように照らしましょう。さあ、覚悟なさい」これよくないです?傑作ですよね」
「決めセリフの内容の意味がわかんねー。夜だか星だか月だか、一体俺は何なんだ。何を言おうとしてるんだ」

内容がメフィスト節すぎてよくわからない。

「すみません兄上。僕にもその内容が何を言いたいのかさっぱりわかりません」

アマイモンも同意を示せばメフィストはふっと笑った。

「ああ、何ということでしょう。私の高尚なセリフは凡人には理解できないようですね。非凡すぎる自分の才能が憎い。こわい。そして素晴らし―――」

そこまで言ったメフィストは口をつぐんだ。燐も文句を言う口を閉ざし、厳しい顔をしてメフィストを見つめた。

「メフィスト!」

燐がつけた結界に反応があった。
雪男が獅郎が、友人が狙われているが、メインのターゲットは獅郎のようだ。
祓魔塾の特別講師に出向している獅郎は現在課外授業の真っ最中で、生徒達や雪男とともに、とある山の中にいる。
山中だということはまわりへの被害はないだろう。
新衣装(仮)を身につけたままの燐がそばにあったマントを取る。漆黒のマントは特殊裁断がなされ、何枚かの布が重なるようになったデザインで、生地の内側には星が浮かび、きらきらと輝いている。燐が動く度に生地の内側がちらりと見えて星空が輝く。裾にあしらったレースのバイアスは黒に見える青。

「わかってます。行きますよ」

メフィストの返事も聞かず、驚くほど軽いマントのフードをかぶり、燐は無限の鍵を使って扉をひらく。
雪男や獅郎がいるすぐそばまで出られたらいい。今の燐ならそこからすぐに行くことが出来る。
飛び出して行った燐についていく撮影班。むろんメフィストの使い魔だ。
さあ準備とステッキを手にアマイモンを促すと、彼は準備することなくばりぼりお菓子を食べながら言った。

「じゃあ僕は留守番でいいです。兄上は燐をよろしくお願いします。僕は今からおやつの時間です」

燐の家に来てからも、その前からもずーっとおやつを食べ続けていた燃費激悪アマイモンが、ひらひら手をふり、行ってらっしゃいとメフィストを見送る。まったくもってやる気なしのようだ。

「何を言う。おまえはさっきから食べてばかりだったではないか。とにかくおまえも一緒だアマイモン。藤本を狙うなんて燐の逆鱗に触れるような馬鹿なことをするのはサタンくらいだ。燐だけならいくら敵が多くても大丈夫だが、足手まといがわんさかいる。おまえのような馬鹿でもいないよりマシだからな。さ、行くぞ」

燐は複数のものを同時に守りながら多数の敵と戦うことに慣れてない。あの場には藤本や雪男はいるが、そのぶんひよっこたちもいるし、燐は一々戦い方が派手だ。小技がきいた戦いも出来なくはないが、めんどくさいらしい。最も、燐が派手に戦うように仕向たのはメフィストだ。その方が画面栄えする。ただそれだけの理由だったのだが、派手な戦いをする燐なので、誰かがいては思うように力は出せないし戦えないだろう。
メフィストはカメラワークや解説や監修で忙しいのでアマイモンにひよっこ達を守らせるしかない。
結界をはって守るくらい、普段の燐には何程のことでもないが、それは通常の精神状態の時に限ったことだ。
家族や友人が危ないとわかり、彼等の前に姿をあらわすことになった燐に通常の精神状態は期待出来ない。
アマイモンも小技がきかない大味なやつだが、まあいないよりはマシなので連れて行こうとしたのに、嫌がりやがった。

「えーっ。僕は嫁とのラブラブ計画が――」
「その嫁がピンチかもしれんぞ」

あの場には杜山しえみもいたと告げるとアマイモンは豹変した。今までだらだらお菓子を食べていたアマイモンが、たらたらしながら立ち上がり、お菓子を貪りながらさかさか歩きだした。

「兄上、何をだらだらしているのですか。さあ行きましょう。すぐ行きましょう」

テコでも動かなそうだったアマイモンが無表情で爽やかにメフィストを促す。

「おまえ、変わり身早くなったな」

早くしろと言ったのはメフィストの方なのに、何だか理不尽だと思いながらアマイモンとともに扉をくぐると、途端に闇に染まる緑がひらけた世界。
都会とは違う、土と緑の香りがする空気のなか、濃厚な悪魔の気配があった。


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