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TOP百合ヒバツナ恋の歌 始まりの歌2


恋の歌 始まりの歌2
百合ヒバツナ「恋の歌」
オフで完結済み。完売後再録集に番外と一緒に収録。
再録集のお取り扱いはバードEXになります。
こちらはweb版となります。

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歩く歩道に乗りながら、ツナは先程出会ったばかりの、名前も知らない女性相手に一生懸命話していた。

君、雲雀恭弥が好きなの?

そう声をかけられ、瞳を輝かせて即答したツナが話す内容は憧れてやまない歌手“銀河の妖精”雲雀恭弥の事。ツナの大好きな歌手。彼女の話ならいくらでも出来る。だって大好きなのだ。雲雀が出ているCMはすべて録画、記録してあるし、記者会見だって出来るだけとってある。レアもの以外の商品はわりと持っているし、CD関係が出たら必ず購入している。
雲雀恭弥のことを瞳を輝かせ、いきいきしながら話すにこにこと話す小動物めいた姿を雲雀は見つめた。
やっぱり小動物みたいだ。ちょこまかしていて、何だかかわいい。雲雀のことを話す時は特にいい。目がきらきらして、頬は興奮しているためか薄紅に染まっている。
ツナは憧れの人のことを話しながら、一緒にいる女性を見つめた。
ツナの話を聞いている彼女は、ただ立っているだけなのに雰囲気のある女性だった。
なぜなら立ち姿そのものが美しいのだ。ぴんと背筋を伸ばし、ツナと違って豊かなふくらみのある胸をそらしてまっすぐに立っている。その姿は毅然としていて品があり、見るからにプライドが高そうな女王のような人。
その彼女は腰に両手をあて、ツナの方を向きながら不器用なツナの言葉を楽しそうに話を聞き、そして面白そうに言った。

「へえ、君そんなに雲雀恭弥の事が好きなんだ」

女性に促されて雲雀恭やの事を話していたツナは、もちろん雲雀が好きだ。なので、力いっぱい肯定する。

「はい!! だってステキじゃないですか!! 歌もうまいし踊りも。……ああ、でも何て言うか……オーラです!! 自信と才能に溢れてて、それが見えるみたいで!!!」

本当に素敵なんですっ!!
雲雀は腰に手を当てたまま、一生懸命自分(雲雀恭弥)の事を語るツナの言葉に機嫌よく頷く。
ほめられるのや、賛美されるのには慣れている。別段珍しくもないことで、普段の雲雀であればそんな言葉、スルーしているところだが、言葉をつっかえながらも雲雀の事を好きだと一生懸命訴える少女を見ていると妙に胸がざわつき、いつもは決してしない気まぐれなんかをおこしてしまう。
そう、彼女にしては極めて珍しいことに、大人しく、機嫌良く人の話を聞いている。
そして雲雀の事が好きなのだと熱心に言う少女に、更に聞いた。

「もっとないの?」

雲雀恭弥の好きなところ、もっと教えて。そう促されたツナは少し考える。

「あと……」

雲雀の事はすごく好きだ。どこも全部好きで、好きすぎて、もはや彼女のどこが一番好きかとかわからなくなってきたので具体的に言うのはとても難しいのだが、少し考えただけでちゃんと出てくる。

「そう! インタビューで時々やりすぎちゃう所とか!」

自由人雲雀恭弥。自分には絶対に出来ないことをやってのけるひと。自身満々で世界に敵なんていない。そんな最強の歌姫。彼女がインタビューで度々「やらかす」ことも爽快で好きだ。
そう言われた雲雀は、可愛いこたえだなと思いつつ、ふふっと小さく微笑んだ。
ツナの目の前に立ち、微笑んでいる女性こそが当の雲雀本人なのだが、そんな事とは露知らず、まったく気付く様子を見せないツナは、言う。

「でも、憧れます。俺も、一度でいいからあんな風になれたらなって……」

 言葉を切ってツナは小さく、あははっと笑った。

「俺なんかじゃとても無理なの、解ってるんですけど」

腰に手を当てたままの姿勢で雲雀はツナを見つめる。そうさみしそうに「俺には無理」と言うが、何が無理なのだろう。確かに雲雀のようにはなれないかもしれない。でも、雲雀の目の前にいる少女は充分すぎるほど可愛いとおもう。
ふわふわとした小動物めいた少女を見ていると抱きしめてみたいとか、マシュマロのような頬に自分の頬をこすりつけてすりすりしてみたいとか、あまりにもらしくないことを思ってしまう。
雲雀は自信なさそうな様子で下を向く少女を見つめ、これまた彼女にしては極めて珍しい事を言ってしまう。

「そう? かわいいよ、きみ」

またしても勝手に口が動いていた。
確かに可愛いとは思うが、雲雀はわざわざそんなことを告げるような人間ではないので自分で自分の言動にまた驚いてしまう。今日は驚くようなことばかりだ。
この少女で出逢ってから、調子が狂って仕方がない。でも離れようとは思わないし、思えない。不思議だ。自分の気持ちがつかめない。
戸惑っている事を顔には出さずにじっと少女を見つめる。雲雀の言葉に息をのみ、驚いたような顔をした後、急激に顔が赤くなっていく。
かあああっと頬を染めたツナは下を向いてもじもじしながら、はにかむように微笑む。
立ち姿が美しい、見知らぬ人。
雰囲気自体が凛然として気品に溢れた人に可愛いなんていわ
れると、すごく恥かしくでくすぐったい気持ちになる。
ツナは雲雀に向き合い、サングラスに隠された瞳を見つめ、頬を赤く染めたままふわりと笑って言った。

「ありがとうございます」

すごく嬉しかった。
雲雀恭弥は大好きだけど、自分と彼女の違いになぜか落ち込んで、自分では絶対に彼女の隣には立てないのだと思うとわけもなく悲しくなった。そもそもツナと雲雀は立場からして違うので同じ場所に立てるはずもないのに。
大好きな雲雀恭弥。決して手の届かない、雲の上の人。
追いつけるなんて微塵も思わない。追いかけていっても認識してもらえるとも。だって相手はあの雲雀恭弥なのだ。歌手を目指すツナにとって、絶対の目標でもある人。
何もいいところなどないツナは自信もなくて、例えお世辞でも可愛いと言われてすごく嬉しかったので満面の笑みをうかべ、目の前の人にお礼を言った。

「お世辞でも、すっごく嬉しいです!」

頬を染めて嬉しそうにしているツナをじっと見つめた雲雀は、お世辞なんかじゃない。そう思った。
雲雀恭弥がお世辞を言うなどありえない。しかし目の前にいる女性の正体を知らないツナは、お世辞でも嬉しいと恥かしそうに笑っている。
雲雀はそんなツナをサングラス越しにじっと見つめた。
胸の奥からこみあげる感情。それが何なのかわからない。それは今まで感じたことのないようなものだった。
雲雀は我知らず、ツナを見つめる。その瞳が、まるで愛しいものでも見ているような深く優しい輝きを宿していた事にツナはもちろんのこと、雲雀本人ですら気付かなかった。



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カテゴリ:百合ヒバツナ
テーマ:家庭教師ヒットマンREBORN!! - ジャンル:アニメ・コミック
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