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TOP百合ヒバツナ恋の歌 始まりの歌1


恋の歌 始まりの歌1
百合ヒバツナ「恋の歌」
オフで完結済み。完売後再録集に番外と一緒に収録。
再録集のお取り扱いはバードEXになります。
こちらはweb版となります。
再録集では漫画と番外が約3割を絞めているので、それ以外の本編のR18抜きバージョン。
お話的にはR15程度。
のんびりペースですが、本編はちゃんと最後まで連載いたします。

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始まりの歌








出会いは偶然かもしれない。
でも、恋は必然だった。












「~~♪~♪」

風に、髪が揺れる。
スキップする度にふわふわとした髪が風にすいこみ、戯れるように踊り、大きな飴色の瞳をきらきらさせながら、キャラメル色の髪が揺れる。
大好きなナバーを口ずさみながら、ツナは通いなれたいつもの道を機嫌よく軽やかにスキップ。
目的地は兄が勤めている会社だ。
ツナには兄がいて、彼がツナのご飯が食べたいと言って嘆いていたので、弁当を届けに行く最中なのだ。
ツナの兄、ディーノはかなりのシスコンで、今日は残業で家に帰るのがかなり遅くなるとツナに電話してきたかと思うと電話口で「さみしい。俺の天使に会いたい。ツナに会いたい。ツナの料理が食べたい」そんな事を言いながら、しくしく泣き出した。そう、泣き出したのだ。
かなりの美形で、しかもいい年した大人であるはずの兄がちょっと妹に会えず、ちょっと妹のご飯を食べれないくらいでこの世の終わりのように嘆いていて仕事は大丈夫なのだろうかと思った。
普段はディーノを過剰に甘やかさないようにしているツナだが、最近ディーノにとてもいいものをもらったので「家に帰るの遅くなるんだよおおおおお。俺の天使いいいい」とかウザイ事を言って泣いている兄に手作り弁当を配達してやることにしたのだ。
ツナが普段はあまりしない弁当の配達などというサービルをご機嫌な様子で鼻歌まじりにすることになった原因は、兄がツナの憧れの歌手のライブチケットを取ってくれたからだ。そのチケットは銀河に名だたる歌姫のコンサートチケットで、すばらしく恐ろしい購入倍率を誇る正真正銘プラチナチケット。コネでも取れたのは奇跡ともいえるべき代物で、現在ツナの一番の宝物であり、楽しみでもある。
その大好きであこがれている歌手の歌を口ずさみ、今から数日先のコンサートを想像してふにゃふにゃにと笑いながら楽しくうたう。
今から楽しみで仕方がないそのコンサートは、“銀河の妖精”雲雀恭弥のコンサート。
雲雀恭弥はツナが心酔している大好きな歌手で、大掛かりな舞台設定や大胆かつ斬新な衣装、この時代ではきわめて珍しいことに、彼女の魅惑のボディラインと容姿には一切手が加えられていない。そう、彼女は容姿も歌もどこまでも完璧で、見ているだけでうっとりしてしまう女性。
ツナは最近発表されたばかりの“銀河の妖精”雲雀恭弥の新曲を口にしながらスカートを翻して進む。
キレイでまっすぐな彼女はツナ理想そのもの。自分が気弱でうじうじしているとわかっているし、なかなかその性格を直せないでいるツナは、自分の思うがまま、自由に振る舞う雲雀の性格にもあこがれていた。
売れているからといってわがまま放題だという声もあるが、雲雀のわがままは憎めないもばかりで、その自由さがうらやましかった。
彼女の歌声は銀河を魅了し、容姿はどんなモデルにも負けない、自由気ままで奔放な女性。
本当に、本当に、どこもかしこも綺麗で素敵で、あんな人はいないと思う。
 歌を口ずさみながら、銀河の妖精・雲雀恭弥事の事を思い出す。彼女の事を思い出すと、なぜかうっとりとして、胸がきゅううっとしめつけられる心地がして不思議な気分になる。
雲雀がコンサートで歌っているところを想像し、今からによによしながら機嫌よく歌を口ずさみ、転ばないようにスキップ。
本当はくるくるまわり、踊りながらスキップしたいくらいなのだが、我慢。道端でそんなことをしたら変な人だし、ツナは運動神経が壊滅的なので確実に転ぶ。

「~~♪~~♪~」

るんるん歌っていると、もう目的地はすぐそこ。会社の前まで到着だ。
さあ、あとちょっとでおつかいも終る。帰りは早売りの本屋に寄って明日発売予定の音楽雑誌を買おう。雲雀恭弥特集が組まれている雑誌なので少しでも早く手に入れておきたい。
雲雀が銀河横断ツアーをやっているおかげでツナの住む
このフロンティアにも来てくれた。そして、今ここに雲雀恭弥が滞在しているためか、フロンティアではいつも以上に雲雀恭弥があふれている。ポスターも、街頭スクリーンも、CMも、沢山の雲雀恭弥。コンサートにも行けるし、最近は雲雀づくしで嬉しくて、ツナの機嫌は上昇する一方だ。
そうして会社の前まで来たところで、声をかけられた。

「ちょっと君」

それは、とてもよく響く声。
聞くだけでこころが奪われるような、攫われるような声。
その声に、呼び止められた。
何だろう。
勢いよくスキップしていたツナは呼び止められて失速し、立ち止まって声の主を見つめた。
大きな瞳をぱちぱちと瞬かせて見つめる。
ツナを呼び止めたその人は、大きなつばのある帽子をかぶっていて、そこから見えるショートの髪は闇のように深い漆黒。そして真珠のように輝くつややかな白い肌。顔にはサングラス。
綺麗な髪。綺麗な肌。なめらかで白い肌には吹き出物など一つとしてなく、質のいい花玉真珠を思わせる。
どこかで見たような、見ないような、知っているような、知らないような、思い出せそうで思い出せないむずむずするようなもどかしさ。声をかけられた女性からは妙にな懐かしさを感じるし、なんだかとても惹かれるものがあって、足を止めたツナはその人に見入った。
そして、こてんと小首を傾げて聞いた。

「なんでしょう?」

それが、ツナにとっての運命の出会い。


かけがえのない大切な人との、はじめての出会いだった。





 ♪  ♭  ♪




いらっ、としながら“銀河の妖精”雲雀恭弥は辺りをみまわした。
雲雀の通り道に、人がいる。

群れている。

群れは嫌いだ。見ていると反射的に咬み殺したくなる。コンサートや収録など、仕事の時は我慢できるし大丈夫なのだが、こうしてプライベートで散策をしていた時に群れに出会うとどうにもだめだった。
このフロンティアに来てから連日の会見、取材やら収録、コンサートの打ち合わせと雲雀の自由時間などもちろんない。それはいつものことなので特に気にもしないが、ホテルと仕事の往復ばかりだと少し息抜きしたり羽を伸ばしたいとおもうのは仕方のない事で、雲雀はつばの広い帽子とサングラスで顔を隠して街中を散策していた。
銀河にその名を轟かせる人気歌手で、銀河の妖精と言われている雲雀なので変装アイテムは必須だ。雲雀恭弥が街中を歩いていると、当然人はむらがってくるわけで、そうなると群がって来る連中を片っ端から咬み殺さないことには収まらなくなる。
雲雀の目指す目的地は目の前ですでに着いてはいた。
ここは大手民間軍事プロバイダー、S.M.Sのある場所。ここならきっと強いものがいるはずだ。強いものと戦うこと。それがこの場所に来た目的。普通の一般人なら絶対に入れない所だが、雲雀は違う。
雲雀は『雲雀恭弥』なのだ。
雲雀がここに入るといえば入ることが出来るし、戦いたいといえばもちろん戦うことが出来る。なぜなら雲雀は『雲雀恭弥』だからだ。
やっと目的地にたどり着き、強いものと戦えると普通なら機嫌がいいはずのた雲雀だが、しかし、機嫌は最悪だった。
ここに来る途中と、そしてこの場所にも雲雀の神経に障る様々なモノがそのあたりにはあった。

少ないけれど、群れている。

いらいらして顔から鬱陶しいサングラスをむしり取って群れを抹殺しようかと考え、苛立ちに任せて咬み殺す、といつもの物騒なセリフを言おうとしたその時だった。
澄んだ歌声が聞こえた。

「~~♪~~♪~」

その声がうたう歌には、覚えがあった。他でもない、自分の歌だからだ。
しかも、雲雀の辛い評価をもってしてでも聞いている限りそう悪くはないと思うような声。
歌声が近付いてくるので、雲雀は興味を引かれてそちらを見た。
ふんわりとした雰囲気の少女が雲雀の歌を口ずさみながら、軽やかにかけてくる。
肩までの柔らかそうなねこっ毛の髪はきれいに輝くおいしそうなキャラメル色。零れ落ちそうな位大きい瞳はいきいきとした琥珀。

ふわり

短いスカートが翻り、あまい香りを振りまいて彼女が雲雀の前を通りすぎる。

「ちょっと君」

知らないうちに、彼女を呼び止めていた。
自分でも気付かない、無意識のうちに彼女に向かって声をかけていた事に、声をかけてから気付いて、少し驚く。
彼女は雲雀の興味を引くような、咬み殺し甲斐のあるような人間ではない。むしろ雲雀が少し手をあげただけで伸びてしまいそうな少女だ。
どうしてこんな、小さく弱そうな子に声をかけてしまったのだろうか。自分でもよくわからない雲雀は、少女を見つめた。
彼女はただでさえ大きな瞳をさらに大きくしてこちらを見て、そして、ぱちぱちと瞳を瞬かせた。長い睫毛がふるりを揺れ、大きな瞳にかすかな影が出来る。不思議そうに雲雀を見つめた少女は、こてんと可愛らしく小首を傾げた。

「何でしょう」

涼やかで心地のよい、銀の鈴を鳴らすような声が可愛かった。
彼女にぴったりの声だと思ったのだが、何でしょうといわれても、雲雀にもどうして彼女に声をかけたのかわからない。
意味があって声をかけたわけではない。
ただ、何となく気になったし、このままこの少女と別れる事は考えられなかった。
人間というものにあまり興味がない。いや、咬み殺し甲斐のある強いものにしか興味を示さない雲雀にしては大変に珍しいことだ。
さて、どう応えるべきか。
雲雀は一瞬躊躇してからすぐにその声に応えるべく口を
開き、そして一歩、彼女に向かって踏み出した。



これが、二人の出会い。



偶然がもたらしたものか、それとも必然が呼んだのか、二人にとって、これが運命の出会いとなった。






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カテゴリ:百合ヒバツナ
テーマ:家庭教師ヒットマンREBORN!! - ジャンル:アニメ・コミック
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