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TOP百合ヒバツナ恋の歌 恋する十字架8


恋の歌 恋する十字架8
百合ヒバツナ「恋の歌」
オフで完結済み。完売後再録集に番外と一緒に収録。
再録集のお取り扱いはバードEXになります。
こちらはweb版となります。
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雲雀を拒否するようなこの子はいらない。
そんなこの子は必要ない。
雲雀は少女を見ずに背を向けて、高い所から空を見た。
背後で少女が息を飲む気配がしたが、知らないふりをした。
戸惑うようにじっと雲雀を見つめる気配を背中に感じる。
何か言いたそうな気配。
言いたい事があればさっきと言えばいいのに。
自分に触れたらダメ、さわったらダメだと言うこの子がそばにいるとイライラする。
触れさせないなら、雲雀の事を拒否するのなら、そばに来ないでほしい。
早くどこかに行け!
近付くな。
雲雀がそう思っているにも関わらず、彼女は戸惑ったような、小さく震える声で言った。

「おっ、俺はっ、好きな人としか、キス、とかしたくないしっ」

わかってる。だから僕とはしたくないんだ。
雲雀はツナとキスしたいのに、ツナは違う。それに対してもむかついているのだから。

「だから、恭弥さんもっ、俺みたいなやつに、キス、しないで、ちゃんと、すきな人にっ、して、くださいっ」

泣き出す一歩手前の声。
嗚咽を堪えて懸命に何かを訴えている。
ちゃんと好きな人にキスをしてと言う彼女。
どうしてそんな事を言うのかわからない。
僕はキライな奴には触らない。
でも、好きな子にキスしたら、ダメって言われた。

好き?
誰が?
誰を?
僕が、あの、イヤイヤばかり言う小動物を?
あの拒絶ばかりする憎らしい彼女を?
冗談じゃない。
そんなの、イヤだっ!
認められない。だって、あの子は雲雀のことを好きではないみたいだ。拒絶ばかりする。
イヤイヤばかり言う。いやがってばかりの少女だ。 
それなのに、この僕が、自分を拒否するような相手を好きなんて、冗談じゃない。
ファンとして雲雀恭弥を好きなのだろうけれど、キスしたいとか、そういう事は思っていない。それはキスを拒否されたり、抱きしめた時に暴れられたのでわかる。
自分だけがあの子を好きで、自分だけがあの子の焦がれている。
そう思うとますます苛立ちが募った。
僕を好きにならないあの子なんか、キライだ!
早くどこかに行ってほしい。
イライラしながら思うが、反面彼女がここに、まだ雲雀の側にとどまってくれていてホッとする。
彼女の気配をまだ近くに感じる事が出来る。
けれど雲雀の口から出たのは、そんな内心とは裏腹な言葉。


「きみ、じゃま」


早くどこかに行ってくれる。
後ろを見ないままそう言った声は、冷たく凍えるような声で、自分でもびっくりする位冷ややかな響き。

「ぅ!」

背後にいる彼女が喉の奥で何かを堪えるように息を飲んだ。
すみません、と小さな声がふるえている。
多分、悪いのは全部雲雀の方なのに、彼女が小さくあやまって、雲雀のもとを静かに離れる気配。
途中、何度か振り返って雲雀を見ているのがわかる。
何度か躊躇うように振り返って、そして、彼女はいなくなってしまった。



雲雀の側から、いなくなってしまった。



彼女の気配が完全に消え去った後、雲雀はすっと息を吸って、吐き出した。
袖口からトンファーを取り出し、近くの壁に打ちつけ苛立ちのままに突き崩す。
からからとコンクリートの割れる音。
がつん、とまた一撃。
がらがらという音とともに、壁の一部が崩れる。
どうしてこんな事になったのだろうか。
そして雲雀は本当にあの子のことが好きなのだろうか。好きだとは思ったが、こんな感情はじめてなので判断がつかない。結論がでない。でも、もし好きだったとしても、ももう遅い。



あの子は、もうここにはいない。



あの子は雲雀を拒絶した。
雲雀もあの子を拒否した。
雲雀があの子の事を好きだったとしても、自分だけが好きなのはイヤだ。あの子にも好きになってもらいたい。
恋人じゃないとキスしたらダメとか、好きな人とじゃないとキスしたくないとか言うあの子はきっと、好きな人の前ではとても可愛らしのだろう。
恋人という権利を持つ相手には拒否も拒絶もしないで、蕩けるように微笑んで、自分から瞳を閉じてその身を預けたりするのだろうか。
彼女の好きな相手には、そう、するのだろうか。
雲雀はまた一つトンファーを壁に打ち付けた。
トンファーを振るう手に衝撃が伝わり、壁が崩れ落ちる。



彼女の好きな相手なんて、キライだ。
彼女の恋人も、キライだ。



雲雀は青い空を見上げた。




先程彼女は何を思ってこの空を見ていたのだろうか。
そう思いながら、空を見上げた。



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カテゴリ:百合ヒバツナ
テーマ:家庭教師ヒットマンREBORN! - ジャンル:アニメ・コミック
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